本来的に私は生物屋であって地震とかには手を出さない。
専門が違うからいろいろな知識に乏しい。
まして地震が予知できないことくらい誰でも知ってる。
そこに素人が「できた」と言ったらどれだけ荒唐無稽に聞こえるだろう?
だれも耳を貸さないかもしれない。
師匠がまだ生きていたら、「やめとけ」というだろう。
でもまあもう死んじゃったからな。
東北の震災は山むこうだった。
でも停電しちゃって、もう復旧しそうになかった。
自家発の燃料も尽きそうで、あーこれはもうダメだねってことで、
学生に気を付けて帰れって指示してわたしも家にむかった。
信号もついてないので、いつもの海沿いの道をゆっくりクルマ走らせた。
迂闊なことに津波のことなんかまるで考えてなかった。
停電は何日も続き、情報はまるで入ってこなかった。
近所のスーパーもレジが使えなくて倉庫もダメで、
だけどだから食料品を無料配布してくれた。ありがたい。
ガソリンもなかったので子供たちと歩いてもらいにいった。
幸いなことに水とガスはすぐ戻ったので、
それでご飯をつくることができた。
やがてテレビが復活して、大きな津波がきたことがわかった。
子供が何人も流されたと。
春秋のあるかれらがのまれて私は生きているのはなぜかと思う。
考えても仕方ないことだけど。
せめてボランティアに行きたかったけど事情が許さなかった。
家でご飯つくれるのが私しかいなかったしな。
まあ行ってもあんま役にたたなかったろうし。
でもずっと無力感にさいなまれた。
あの津波に何ができるだろう?
ああでも、私たちの学生のひとりは、流されていたんだけど、
漁船にひろってもらったな。ありがたい。
数時間まえでもいいから予知できたらどんなに助かるだろう?
これはずっとおもっていた。
授業でEDAを教えることになって、Rといっしょに、
指数分布になにかいい材料はないかなあとおもった。
ランダムにおきる現象の時間間隔。
Rにも間欠泉のデータがあるんだけど、これはどうもちょっと複雑そう。
単純な指数分布じゃないの。
ああでは地震のデータとかいいかもな。
気象庁のサイトから少し落としてきたら、ちょうどいい感じ。
これ使おう。
ふとした思いつきで、震災前ってどうだったのかなと。
PDFファイルからデータ吸い上げるのがすごく面倒だったけどまあやってみた。
(あーこれら二次利用のことを考えてないなー)
したら、いろいろ妙な現象がでてきた。これはいったい?
ついでにマグニチュードのデータも抽出することにした。
震災前ってほんとへんだったんだよ。
ふつう起きえないことがおきてた。
EDAは統計学の方法だから、ランダムネスが変化してもわかるし、
へんなことが起きた時にそのP値がどのくらいなのかも計算できる。
それらが、「ありえない」と言ってる。
そこからしばし勉強。本いっぱいかりて論文DLして。
で、このあたりが「統計学的アプローチ」を欠いていたのだと確信。
なにかを予知したいときに統計つかわないことなんてあり得るだろうか?
無理だよそれ。
でもこれはEDAを導入すれば解決するよ。
いまやRが普及しているから誰だって計算には困らないはず。
私はいつまでも付き合えるわけじゃないけど、
最初だけ手を貸すことはできるだろう。
で年末からお正月の休みのあいだにばーっと論文かいた。
それがこの話(英文校閲おわるまでしばしお待ちを)。
やっとボランティアができたかな。